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『ナポレオン・ダイナマイト』のこと

 今日はドラマ論で『ナポレオン・ダイナマイト』の考察。知る人ぞ知る超低予算(本体2000万円)カルトムービーだ。学生の反応は、この温さがたまらない、というのが、9割。嫌いだ、すぐに飽きた、というのが1割。好きとか嫌いとか、ただ勝手なことを言うのなら、映画館かレンタルビデオの話。ここでは、なぜ、好きだ、という人がいて、嫌いだ、という人がいるのか、を考えるのが仕事。

 いうまでもなく、主人公は、変なやつ。というより、ダメな高校生。米国のスクールカーストからすれば、典型的なギーグだ。兄貴も32にもなって家でネットでチャットのヒッキー。二人とも、友達なんかいない。ところが、面倒をみていたばあちゃんが入院。フットボールの負け犬、彼女に逃げられてキャンピングカー暮らしのリコおじさんが代わりにやってくる。こいつが、むちゃくちゃインチキ臭い。主人公にも、メキシコ移民のペドロ、さえない女の子デビーと、それなりに友達ができる。

 嫌いな学生で正直なやつがいた。自分に似すぎているから、痛い。あれがギャグだ、コメディだ、と思えるのは、リア充だった学生だろう。作り物でかっこいい高校生活なんて、ウソ。でも、思い出せば、そんなに悪くもなかった。そんなノスタルジーが米国でウケたらしいが、大学生が見るには、まだ早すぎなのかもしれない。