立春と時計熱

 春っ先になると、なぜか時計がほしくなる。腕時計でも、掛け時計でも。べつにいまあるのがあるのだから、それほど必要性が高いわけではないのだが、なぜかいろいろ理由が思い浮かぶ。この年で、スポーツウォッチもないだろ、とか、服の色に合わない、とか。

 じゃ、買うのか、というと、そうでもない。試験監督とかする都合もあって、電波時計の方がいい。ところが、電波って、なんであんなにバッドテイストなデザインだらけなんだろう。電波だからか。安っぽいステンレスベルトなんか嫌だから、コードバンの革ベルトに替えられるのがいい。そのうち、ちょっといいのが見つかるが、たいてい売り切れ。時計の定番というのは、むしろ例外的で、1回限りの製造売り切り、追加生産無し、というのが基本。

 あれこれこそこそ迷っていると、家内が、ヘイ、ユー、それ買っちゃいなよ、と言う。売り切れて、後で後悔するんでしょ、って。そりゃそうなのだが、奇妙なもので、そんなふうに財務省補正予算が公式につくと、よけい責任の重さに迷って、結局、買わない。まあ、毎年の話。