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ふるほん文庫やさんの失踪

 谷口さん。知らない人じゃない。顧客として何度か注文ついでにメールで話をしていて、小倉に出張の際にはわざわざ新倉庫まで行って会った。とにかくとんでもないプロジェクトになっていたが、ひたすらボランティアに頼るのみで、電子的な管理システムを持たず、すでに危うい感じはあった。つまり、人力で棚に並べ直しては、出庫、補充、という物理的な管理。

 どんな文庫本でも、一食の価格より高くてはいけない、との理念で値付け。アテネ文庫その他の希少本では、とてもお世話になった。しかし、そのうちネットの目録の更新がおかしくなってきて、なのに、JR九州と組むだの、NPOを立ち上げるだの、事業は拡大。一方、アマゾンやブックオフで、古本のリアルタイム横断検索ができるようになり、しばらく御無沙汰していたら、この始末。

 2つの倉庫で百万冊近いものがあるはずだが、9割方は80年代の角川文庫その他の1円以下のクズだろう。1%くらいは、戦前戦中戦後の、おそらく国会図書館も把握していないような希覯文庫本で、スキャンして電子化しないと本や翻訳そのものが完全消滅する危機にある。だが、その1%がどれか、照合するのは人力に頼るしかない。あそこまで個人でがんぱったのだから、それくらいは国がやってもよかろうに。