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日蝕とバラバ

日蝕を最初に見たのは、映画だった。『バラバ』、ある盗賊の話。イエスが死ぬところから物語は始まる。その日蝕は、彼の心の影を象徴している。預言者なんて、当時はやたらとウロウロしていたらしいが、彼のその後の数十年をたどるにつけ、なぜイエスだけがキリストとされたのか、心情的に理解できた。

その後、ノーベル賞受賞の原作を本で読んだが、映画ほどの泥臭い熱気は感じられなかった。いままた見たいと思っても、日本で、あの映画は現在は手に入れるのが困難だ。レンタルショップにさえ、もはや置いてない。まあ、日本じゃクリスチャンなんてはやんないしねぇ。プロテスタントの方なんか、ナイフまで振り回してグチャグチャの抗争をやっている。あれじゃヤクザそのものだなぁ。

ところで、サロメは芝居もあるが、洗礼者ヨハネの映画というのは聞いたことが無い。教会の中でも扱いが面倒な人物だ。落とすわけにはいかないが、イエス以上に持ち上げるわけにもいかない。歴史的に見れば、どうもヨハネの方がターニングポイントになっていたように思える。イエスの青年期について、家具大工だった以上に語られてはいないが、心情的にはなにかバラバと同じような回心の過程があったのではなかろうか。ともに歩むと言うのなら、そこを理解する必要があるのではなかろうか。