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Westcottの定規

ウェストコットは、140年にもなるニューヨークの老舗文具メーカー。いまだに機能主義=地味の日本の文具メーカーなどと違って、機能とデザインの調和が美しく、使いやすい。なかでも愛用しているのが、9インチ定規。Data Printout Rulerと言って、アクリル製で中央に黄色の1行枠があり、本を読みながら調べものをしたり、読みかけでしおり代わりにしたり、ちょうどいい。

ところが、これが、日本では売っていない。売ってはいけないのだそうだ。世間に定着していた尺貫法をむりやりにメートル法に「矯正」するためにできた法律のせいで、日本では、メートル法以外の定規を売ることが禁止されている。ところが、デザインなんかやると、300ドット/インチなんてしょっちゅう出てくるし、文字の1ptは、きっちり72ptで1インチなんで、センチでは話にならない。いちいち2.54cmで計算し直しながらでは仕事にならない。外枠はセンチでトンボを切るにしても、版面の中は最初からインチで組んだ方が早い。

まあ、米国の方もかなり混乱しているようで、ウェストコットの定規も、片側がインチと反対側がセンチになっている。主流だったレターサイズ(11 x 8 1/2)も、ゆっくりと国際規格のA4に切り替えが進みつつある。かといって、パソコンのインチ単位は、いまさら直るまい。さて、このごちゃごちゃ、どうなるのやら。