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ホックニーがハーストに喧嘩を売っている

好きな画家だ。ぜんぶ自分で作りました、ってさ。それだけで、ハーストに対する批判になるところが、ハーストのハーストたるゆえん。古い現代芸術家と新しい現代芸術家のバカな喧嘩。実際のところ、ホックニーだ、ハーストだ、なんてったって、おそらく世界的には無名に等しい。どちらも百年後まで残るまい。どちらも最初から古くさい時代の亜流だ。

英国のアーティストとしては、ビートルズは別格にしても、ヴィヴィアン・ウェストウッドだろう。ファッションがアートではない、などとは言わせまい。だいいち、ハースト同様、ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ出身で、かつては美術教員をめざしていた。それが、あの様だ。すばらしい。ビートルズ同様、階級社会英国での下層庶民っぽい安っぽさと、時代錯誤的な女王貴族趣味とのごたまぜ。そのスタイルそのものが、女王陛下以上に、没落する英国の象徴のようだ。

アーティストがアーティストであるためには、孤高の天才であると同時に、その時代のその出自を体現していないといけない。いまさらNYアートだの、ロンドンアートだのを引っ張っても、もともと二人とも、出自が違う。もって生まれて染みついたものは、上から塗り重ねても、下に透けて見える。だから、だめなんだ。ウェストウッドみたいに、着飾っても素っ裸みたいな突き抜け感がないと、百年後にまで残るに耐えない。