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トイカメラと芸術写真

ハロウィンも終われば、もうクリスマス。うちの子は、今年はカメラをサンタにお願いすることにしたそうだ。で、サンタにメールを書いておいてくれ、と言われた。というわけで、カメラについてネットで調べると、ちかごろはトイカメラ、それもデジタルのがはやっているとか。そう言われれば、ヴァンガードにいろいろあった。しかし、ちゃちなくせに、やたらと高い。これなら、ふつうのまともなメーカーのデジカメの方が安くていいじゃなイカ。だいいち、子供が使うのに、液晶モニタがなければ話にならん。いちいちパソコンにデータ移行するなんて、子供にできるものか。

と思ったら、トイカメラは、ちかごろ「女」が使うのだそうだ。ピントの甘い写真を撮って、芸術的っ、私ってセンスがあって、すっごくかわいいかもっ! と、はしゃぐらしい。おいこら、バカか。カメラというものは、被写体を狙っているのに、そこに写るのは、そのレンズの軸線が焦点を結ぶところ、つまり網膜の方だ。写真芸術というのは、被写体を写しているのではなく、カメラマンの視覚そのものが表現される。だから、芸術だ。ピントが甘いのは、のーみそがスィーツで、人生をなめているからなだけだろう。

レインマン』という映画は、自閉症を扱っている。まさに自閉症で、なにを考えているかわからない。ところが、あの映画では、レイモンドにカメラを持たせている。そして、エンドタイトルに、彼が撮った、彼の旅の写真が延々と映し出される。健常者の視点でレイモンドを被写体にするだけではなく、世界には彼の側からの視点もあることを思い起こさせる、よく考えられた、いい演出だ。