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削除主義とインターネット

 削除主義(delitionaism)というのは、ウィキペディアから出てきた言葉で、特筆性の無い記事や情報は削除してしまえ、という思想。反対語は包摂主義。で、数年来、問題となっているのが、悪貨は良貨を駆逐する、じゃないが、まともな投稿者が激減していっている現実。これは、本家の英語版からしてそうで、あなたはなぜ最近、投稿してくれなくなったのですか、なんていうフォローをしたり、記事の後に、アンケートをつけたりしているが、あんなポルポト派の盗知闇市のようなところには、まともな知識人は近づくもんじゃない。

 まあ、検索のトップに要約記事がある、というのは悪くないが、だったらgoogleが直営でやった方がましだろう。そもそも、学会雑誌でも、商業出版でも、マスコミでも、現実というものは削除主義で出来ている。そこには、特筆性がどうこう、という建前とともに、学会や文壇、タレントの既得権や権威を維持するために、自分たち以外は殲滅してしまおう、という本音が見え隠れ。

 これに対し、ネットは、総量に制限がなく、たとえ質が悪くても、せいぜい隅っこに追いやるだけで、無かったことにはできない、という強みがある。現実の流通や宣伝が書店の棚から「削除」してしまった本を、amazonロングテール戦略で生き返らせたのも、同じ流れだ。検索能力さえあれば、絶版書はもちろん、海外の大学図書館で保存されている中世文献の原典のシミまで自分自身で確認できる。だが、情報弱者は、ネットの中でもやはりポルポト派に従うしかないんだろうな。