秋学期の始まり

ドイツなどだと夏学期、冬学期というが、日本で9月からの講義を、冬学期、と呼ぶには、感覚的に無理がある。なにしろ、すこしも寒くない。というより、まだ暑い。なんにしても、夏休み気分も、もう終わりだ。休みの間、いろいろ本も読めたが、大学に出校すれば、いろいろ事務仕事も溜まっている。

それどころか、秋になると、もう来年度の話が出てくる。せわしないふつうの会社と違って、大学は、まるで氷河谷のように、ゆっくり、しかし、止まることなく前へ進んでいる。3年かかり、十年かかりの仕事など当たり前だ。ところが、近ごろは、研究計画だの、予算措置だの、やたら単年度のものが多い。ちゃかちゃかやっている実験化学とかならいいが、じっくり考え込んで、ひらめきを待つような分野で、1年単位の話など、正直なところ、自分のことでもわかるわけがない。

あまり人のことは言いたくないが、そんなこんなで、どうも論文だの、発表だの、事務的に数をこなすだけの連中が幅ををきかせているような気がする。そんなもの本にしたって、その研究者の権勢がある間だけのこと。二十年単位で残る仕事でなければ、わざわざ大学でやる必要もないと思うのだが。