オーストリアの学位肩書

ドイツも、大学の学位肩書が幅を効かせている。教授博士、なんて、まだ甘い。教授博士博士、なんていうチェック欄がルフトハンザでふつうにあるくらいだ。実際、医学部の教授となると、臨床医学博士と研究哲学博士の両方を持っていることが多い。そのうえ、大学の教授資格審査が学位とは別にあるので、Prof.の前にUniv.-がつく。教授資格のないテニュア持ち、日本の常勤専任准教授はhabil.Dr.。いま修士号の導入が図られているが、ドイツの場合、大学を卒業する=博士号を取る、だから、博士号無しの正教員などいない。

ドイツに輪をかけて大学の学位肩書がごついのが、オーストリア。こっちは、以前から修士号があるので、それも併記するのが一般的。これに分野名がラテン語の略語でつく。そんなわけで、a.o.Univ.-Prof.Mag.a rer.soc.oec.Dr.in rer.soc.oec. なんていう、人をケムに巻くたような長いのが、ごろごろ。a.o.は、特任(非常勤や任期付)。Mag.の後のaやDr.の後のinは、女性形。でも、inなんていう接尾語はラテン語じゃないじゃん。rer.soc.oec.は、経済学。神学部で取った哲学の修士、なんていうややこしいものもある。

日本じゃ理系院生、とくに工学系では、だれでも博士号をばらまいて留学生を集めているけれど、これは国際的には、かなりまずい。これだけ世界の学術交流が盛んになると、名称や表記はともかく、すくなくとも、その水準は、統一的なものにしないと、いずれ大きな問題になる。