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村の祭り

 いつからか、祭りが売りものにされるようになった。別の都市まで出張して練り歩き、特別観覧チケットまで売っていやがる。観光客が来るのを拒むことはないが、土地の神を祭らないなら、なにが祭りか。そんなことをやっていると、天罰で地震津波放射能が襲いかかるよ。

 このあたりでも、昨日から、いや、おとといの深夜から、もう、お祭り。地区ごとに山車、子供御輿、飾り御輿を競い合う。例年のことながら、みんな、とんでも熱心だ。数ヶ月前から夜ごとに集まり、趣向を凝らして準備。直前になると、若い連中が他の地区の準備状況を偵察に言って、深夜にエールの交歓。そして、宵の宮には山車を牽いて、みんなで神社で祈念。なんでもないこの恒例行事の中で、小学校以来の先輩後輩の近況がわかり、御近所の顔ぶれ、それぞれの暮らしぶりも見える。年長者から、子供たちへ、村の古い歴史から、生活のしつけまで、伝わる。さしたことでなくても、町内でかんたんに相談や融通ができるし、いざ大事件ともなれば、みんなの初動が早い。神様、そして昔の人の知恵は、偉いものだと思う。

 それにしても、暑い夏の祭りは、体力勝負だろう。よそ者でへたれの私などには、とてもなにもできないが、うちの子は、じいちゃんとともに、袢纏、腹掛、捻りはちまきで、昨日、今日と、大興奮。案の定、電池切れで、ぶっ倒れて寝ている。が、これが正しいお祭りだと思う。