洗礼者ヨハネの夜

 今日24日金曜から週明け27日月曜まで4日間、ライン都市マインツは、狂乱の夜となる。マインツ、などと言っても、ドイツの地方都市くらいにしか思っていないかもしれないが、中世においてはローマ教皇座に次ぐ首位大司教座で、アルプス以北の全ヨーロッパを管轄し、ドイツ王の戴冠権を持っていた。というのも、マインツは、洗礼者ヨハネを祭っていたから。そして、夏至は、その聖誕祭だ。

 救済者イエスと、洗礼者ヨハネとの関係は、微妙だ。ダヴィンチなどは、双子であることを匂わせている。いうまでもなく、ヨハネの立教の方が先で、イエスはその弟子にすぎなかった。ヨハネサロメに殺されて後、イエスがその教団を継いだにすぎない。

 とはいえ、なぜマインツが洗礼者ヨハネを祭るのか。あの大聖堂の地下には、ローマ時代からの聖泉の遺跡があり、そこにヨハネの首がある、とも言う。夏至祭は、魔女の夜でもある。不吉な日。ヨーロッパでは、多くの事件がこの日に起こされる。しかし、マインツは、陽気だ。屋台が並び、ストロベリークーラーを飲み、移動遊園地に歓声を上げる。さまざまな国が、このマインツの自由をねたんで、支配をもくろんだが、すべて失敗し、いまもなお、この街はヨーロッパの中で独特の地位を占め続けている。