演歌は心で歌うもの

 今日は、財津和夫教授の講義で演歌のジェロを呼ぶというから、見学に行ってきた。それにしても、財津先生、トーク、下手だなぁ。インタヴューの質問ってのは、相手が話したがることを振るためだけのものだよ。相手の答えが予想できないことは聞いても話が続かないよ。むしろ、後半の学生たちからの質問の方が、的確だったなぁ。R&Bと演歌のリズム位置の話、演歌やロックの文化的背景の必要性の話、そして、そこでのアイデンティティ。これまでなんども、なぜ演歌歌手のくせに着物にしないのか、と聞かれてきたのがイヤだった、と、ジェロは言う。着物をきたって、演歌歌手の中には、韓国人や中国人も多いじゃないか、という答えは、彼の芯の強さを感じさせる。言外の話しながら、彼は子供のころから生活には苦労してきたようだ。その原点があればこそ、いまの演歌があるのだろう。それを抜きに、それを別のものにすり替えたなら、彼は歌を歌えまい。

 

 デビュー曲の「海雪」と6月22日発売の新曲「ただ・・・涙」を披露してくれた。身近で聞くと、とてつもない。これが生声というものなのか、と思わせる色彩感とヴォリューム。MU2000のSGボードに飛びつき、昨今のvocaloidまでいじってきたものの、演歌までは、まだまだ相当に遠いな、と思う。だいいち、歌は、音じゃない。言葉だ。一言一言、心を込めると、ここまで深みが増す。最後の最後は、やはり彼の人柄だと思う。とても誠実そうな好青年だった。