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河内十人斬り!

 津山の次は河内だ! というわけで、今日は菊水丸せんせいの『河内十人斬り』でノリノリ。町田康の『告白』もおもしろいのだが、やっぱり原曲で、ということで、聞き始めたら、こりゃもう仕事にならんがな。語り芸にもいろいろあるが、河内音頭は強力だなぁ。しょーもない寝取られ男と、その子分の血みどろ復讐譚なのだが、このノーテンキさは何なのだろう。盆踊りの明かりの影で、あの世とこの世がつながって、過去と現在とが一体となる幸福感というか、すべての俗世が終わった後のアンコールのような雰囲気。

 この地域、知ってのとおり、錦織の帰化人村から、聖徳太子河内源氏、楠正成、そして堺とも競うほどの富田林の大旧家群と、やたらややこしい歴史がある。ほんまに、そこらのおっさんが、スーパーの駐車場で、なんやわれ車もよーとめられんかい!と嫁さんをどなりつけてたりする。その嫁さんが、静かにしといてんか!いま必死やねん!と吠え返す。なんともドラマチックだ。この気風、ローカルなコメディの連ドラでもやったら、ぜったい当たるだろうと思う。大まじめなのに、とにかくオフビートだ。

 掘り起こせば、ネタはいくらでもある。若いくせにライトノベルのパチばかり作っている連中は、もうちょっと伝統芸にも目を向けたら広大なフロンティアが広がっているのに。