直情径行の人

 古い友人が選挙で勝った。最後の最後までハラハラさせられたが、勝ちは勝ちだ。よかった。彼は、まさにいまの時代に求められている希有の人材だ。とにかくまっすぐな努力家。組織の中には収まりにくいが、組織の上にあって方向を示すには、まさにふさわしい。

 とかく近頃、世渡り上手が多すぎる。あっちに媚び、こっちに諂い、男妾でもあるまいに、ういやつぢゃ、などと取り立てられて、人の上に乗ろうとする。そういうやつは、私も嫌いだ。そんなやつで、下がまとまるわけがない。是は是、非は非。旗幟鮮明にすることこそ、上に立って下を引っ張るのに必要なこと。こういう時代、周囲の顔色を伺って、のらりくらりとやっていられるほど、時間の余裕がない。

 とはいえ、テレビで見るに、彼も角が取れて、ずいぶん丸くなった印象だった。だが、だからといって、老練な政治家になど、なってほしくはない。あの昔の正義の情熱と憤怒を失ってほしくない。別の、懇意にしていただいている政治家は、権謀術策の世界に疲れ、故郷で地道な活動を広げている。畑を耕すのは何年もかかるだろうが、内なる情熱を持ち続けていると信じている。そういう人々がいなければ、この世は骨なしクラゲで埋め尽くされてしまう。