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冷静になれと叫ぶやつらは舞い上がっている

 1週間が過ぎた。これほどの大事件にもかかわらず、だれもが、それぞれにできることで最善をつくしている。とはいえ、これが日本人だから、というのは、どうか。2001年1月、新大久保駅で酔客が転落したとき、韓国からの留学生が、日本人カメラマンとともに、文字通り命を賭して、これを救おうとしてくれた。北アフリカなどでも、いま、凶暴な独裁者と戦っている人々がいる。ふだんはどうあれ、いざというときには、どの国民でも、正義ということを考えるのではないか。

 だが、災害や革命は、後始末で党利党略と私利私欲が吹き出す。善人は死に絶えた。こずるいヤカラが、収拾のつかない非常事態に乗じて、強引なむちゃを振り回す。かつて戦後も、焼け跡のどさくさで、右翼や政商、闇市のやり手たちがのし上がった。一般の人々は、やたら熱しやすく、冷めやすい。べつの大事件が起これば、支援もなにも、すぐにそっちへ行く。いったい、いま、どれだけの人が、霧島のことを気にしているのだろうか。

 こういう歴史の奔流は、津波と同じだ。もはやあらがって勝てるものではない。そんなものだ、と、わりきって、遠くから眺めているしか、身を守る方法があるまい。