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美しき秋の大学キャンパス

 秋の柔らかな日射しを受けて、赤や黄色の紅葉がみごとだ。銀杏は舗道に敷き詰められ、黄金のように輝いている。空は青く高く、無限の宇宙の深い底にまで広がっている。美しいキャンパスというのは、教員や学生が学問にいそしむのに最高の環境だと思う。

 ドイツの大学の場合、街中に校舎が分散してある。たとえば、ハイデルベルク大学の場合、もともとキャンパスなどというものは存在せず、そこらの住宅ビルのワンフロアを教室として持っているにすぎない。街中に大学が融け込んでいる、と言うと聞こえはいいが、ドイツの大学は、一時期、ひどく人気がなく、総学生数がわずか百人ほどにまで減ってしまった結果、あんな悲惨な環境になり、そのまま現在に至っている。

 それに較べて、日本の大学は、なんと豊かなことか。街から離れているのは、たしかに通学の手間ではある。が、公園のようなキャンパスに、全国から学生たちが集まり、将来を語り合うことができる、というのは、人生の中で貴重な時間であろうと思う。勉学というのは、仕事とは違う。ただ根をつめていても、はかどるものではない。自由な発想を広げられる余裕こそが大切だ。