政治家の実刑

 以前も、以後も、実際に会ったことがあるわけではないので、どういう人物だか、詳しいことは知らない。だが、印象だけからすれば、かなり変ったように思える。逮捕、失職、そして死線をさまよう病気。いままた国会議員として活躍しているが、以前の罪により政治家を辞めさせられ、牢獄に収監されるそうだ。

 悪いことをしたのであれば、たとえ人として更正したとしても、罪を償うべきではあろう。しかし、罪の償い方というのは、いろいろあってもよいように思う。法の下での平等、というのは、たしかに基本理念だが、平等ということは、同一の犯罪、同一の刑罰ということではあるまい。そもそも同一ということがよくわからない。貧乏人がパンを盗むのと、政治家が私腹を肥やすのと、同じ金額でも、後者の方が重罪であろう。また、余命数年という老人が死刑になるのと、人生これからという若者が死刑になるのとを比すれば、前者の方が罰として軽すぎる、と思う。

 政治家が政治において罪を犯し、それを償うのであれば、いっそ懲役刑として政治家を続けさせたらどうか。余人に代え難い才があるのなら、その才で償わせる方が、社会にとっても有益であろうし、また、本人にとっても、日々の仕事において、自分の過去の罪を補って余りある成果を挙げなければならぬと心に誓うだろう。