不評CMの爆発的増大

 異様だ。昔は、CMは、そこから数々の流行語が生まれるほど、人々に愛されていた。もちろん、まれに反感を買うものもあったが、そういうものは広告主の方が敏感に察知して、すぐに引っ込めた。ところが、近年、まったく好感度の低いまま、ごり押しで放送され続け、それどころかシリーズ化されているものさえもある。

 この背景には、好感度調査が認知度調査に切り替わったという事情がある。以前は、同じテレビの中での相対的な好感度の問題だったのだが、近年は、テレビの視聴率の低下や、ネットとの競争において、認知度調査の方を広告代理店が広告主へのアピールに使うようになった。このために、好感度に関わりなく、クセの強いエグいキャラクターを押し出す、もしくは、既に認知度の高いキャラクターや音楽を濫用する、という傾向が出てきたのだ。

 とくに自動車メーカーは、アホみたいにかんたんに広告代理店の数字操作に騙される。ドラマ性に溢れていた以前のサントリーのペンギン、レッドやオールドのCMに比してみれば、子供店長だの、かくかくシカだの、パフュームカンガルーだの、まるで商品名や企業名を連呼するだけの選挙宣伝でしかない。車の売れ行きが伸びたのは、補助金のおかげで、その儲けをまるまる代理店にとられて、後先どうするのだろう。