歴史ある街道跡を歩く

 最近は、あちこち道が付け替えられてしまっている。バイパスだの、新道だのに対して、旧道と言っても、じつは、戦後にブルドーザーでのっぺした道だったりする。ところが、町の構造をじっくりと眺めると、そこに、戦前の軍事道路や明治時代の軽便線路、江戸時代の街道筋の痕跡が残っていたりする。ああ、このあたりは、高射砲と弾薬庫を結んでいたのだな、とか、この住宅地は、以前は工場で、本線からの引き込みがあったらしい、とか。

 江戸時代の道は、それこそ歩いた道だから、軽自動車ほどの幅しかない。しかし、古い建物に宿場の面影が残っていたり、いかにも一里塚や高札場だったであろう場所が開けていたり。とはいえ、高速道路で寸断されていることも多く、こちら側とあちら側を突き合わせてはじめて本来のまっすぐな道が見えてきたりする。それがまたおもしろい。

 で、自分で実際に行ってみると、ああ、ここを武家や商人が急いで、また、町人たちが物見遊山で通ったのか、と感慨深い。意外に松の並木が残っていたり、石畳があったり。もっとも、当時は、車を通す必要もなかったので、やたら平気で山の峠を抜けた。こういうところは、ほとんど昔と変っていない。ただ、夏に行くものじゃなかった。ヤブ蚊だらけで、ひどい目にあった。