すっとこどっこいな米国

 アメリカ人はねぇ、なんて、言うやつほど、当てにならないことはない。あんなだだっぴろい国、それも寄せ集めの国だ。まして、ぎゃんぎゃんうるさいのは、その、ごく一面にすぎない。それは、向こうの高校にだけ行った帰国子女みたいなのが持ち込んだ90年代の日本にだけあるもので、どう考えても米国の主流ではない。

 米国の9割は、いまだに土田舎。それどころか衰退する一方だ。熱狂的なアメリカンドリームが成り立つのは、むしろ、熟しすぎたプラム、と呼ばれるような、アイロニカルで、しかしハートウォームな底流の気風があればこそだ。だれもが夢を見るが、そんなものの波に乗るのは、ごく一部。それでもいいじゃないか、という負け犬の寄り合い所帯の居心地の良さ。

 スヌーピーやナンシー、ディルバートに至るまで、白も黒も、赤も黄色もなく、一般国民に広く認められているのは、こっち。『ビバリーヒルズ90210』は理想だが、『ナポレオン・ダイナマイト』の方が多くの人々が親近感を持っている。前者は、ショーウィンドウの中の米国であって、米国人にとっても現実ではない。いいかげん、これだけ多くの留学生を送り込んでいるのだから、たがいに普段着の世界を理解した方がいいと思う。