4-3-1-5方式の功罪

 4-3-1-5方式というのは、競技カルタの読み方で、1974年から規則となっている。上の句4秒で最後を3秒伸ばし、1秒の間をあけて下の句5秒、ということなのだが、実際は、かなり無理がある。そもそも、競技カルタの読み方が、「正しい」のか、という問題もある。完全に棒読みの長短アクセント。中国語などの影響も強かったことを考えると、上代は、むしろ高低アクセントで、まさに歌うものだった可能性が高いが、いまとなっては、その実際はまったくわからない。

 かといって、近年出てきたアニメ詠みはどうかとも思う。読めばいい、憶えればいい、というものでもあるまい。音には意味があり、思い入れがある。声優がみんな不勉強だというわけではないが、サンプルを聞く限り、どうも文字づらだけを追っているようにしか思えない。

 近年、伊藤一夫氏をはじめとして、競技カルタ的な読み方ではなく、神主の祝詞能楽の謡いなどから、和歌が持っている本来の歌の声の力を再現しようという試みがある。どこぞのだれぞがやっているような言葉の音韻を弄ぶのとは、根本から次元を異にする。中世、上代。もはや想像に過ぎぬとはいえ、過去に思いを馳せ、同じ情景に心を委ねるのは、時代を超える心地よい響きだ。