日本人文学会

 日本は大学まで縦割り。学会も、大学別だったり、学閥制だったり。業界のボスみたいのがいて、それが全国の大学のポストを押さえ、忠誠を尽くすを子分筋に利権として分配していたりする。公募の多くは、その出来レースの隠れ蓑にすぎない。

 もちろんこういうのが嫌だという研究者も多い。旧帝大高等遊民の気風を引きついている先生方はとくにそうだ。人間性について考える人文学ですら、英文学系、仏文学系、伊文系、西欧史系、中国史系、それも学閥別にばらばら。これではいかん、ということで、東西硬軟の諸学に通じている法哲学長尾龍一先生あたりのシンパがゆるくつながって、言語や時代を越え、学内在野の壁も取り除き、もっとちゃんとした人文学会を作って、勉強しようか、という話があった。しかし、もともと会則その他で拘束されたり、組織として締め付けられたりするのが嫌、という人々の集まりだから、緩すぎて形にならない。

 なんにしても、開国直後の明治時代でもあるまいに、いまさら輸入学問として学者学ばかりやっている時代じゃない。古今東西の人間学のあれこれを適当な距離をおいて眺めるには、日本は悪くない位置だ。あまり気負わず、みんな、うまく連携が取れるようになるとよいのだが。