星祭りの夜

 もうすぐ星祭りだ。ペルセウス座流星群は、毎年、ほぼお盆の時期と重なる。宮沢賢治からすれば、仏教キリスト教もごたまぜで、ただ天空を眺め、人の生死を思い、考えを巡らせていたのだろう。物語の時刻設定に合わせて星座盤をくるくる回せば、それが8月13日であることはあきらか。

 アニメというと、ちかごろジブリばかりがバカ騒ぎをしているが、今から四半世紀も前に作られたグループタックの『銀河鉄道の夜』も、キリコのような異次元的な雰囲気に満ちており、宮沢賢治の無国籍性を徹底し、なかなかの佳作に仕上がっている。まあ、興行的には当たらないが、原作同様、時代を経ても古びず、どこの国へ持っていっても感銘を与えることができる作品だ。とくにタイタニック号が水没するシーンで、列車の中に水が流れ込む恐怖と、その諦観の展開は、見る者をも列車の乗客に変える。

 だが、原作の『銀河鉄道の夜』は、絶対的な未完成だ。詩情あふれる、などと言う人もいるが、それは、エピソードがつながっていないだけ。彼の他の作品と較べれば、鳥男などのプロットのほつれがそのままになっており、また、サソリの話も、浮いている。いずれそれぞれが伏線としてうまく組み込まれるはずだったのだろう。それは銀河の海側でまとまるものだと思われる。