持っていたら使ったくせに

 米国が原爆を使ったのは許せない、って、自分たちだって持っていたら絶対使っただろう国が言っても説得力がないよなぁ。その説得力の無さに気づかないから、いまだに他の国がニヤニヤして本気で相手にしてくれない。使ったか、使わなかったか、ではなく、使おうとすることに関しては、日本もまったく同じくらい罪深い。それどころか、もしあのとき日本が原爆を持っていたら、もっとむちゃくちゃな使い方をしただろうな、と、考えるだに恐ろしい。米国も、日本の周辺国も、いまでもそう思っている。

 エセ右翼も問題だ。ほんものの右翼は、意外に国際情勢に対する目配りが細かい。ところが、街宣車でがなるだけのエセ右翼団体や、エセ右翼知識人。よくまあ、戦後も長々と恥知らずな連中の屁理屈を公共の場で述べさせてきたものだと思う。ヨーロッパやアメリカで、そんなの、三流誌だってぜったい載せないよ。そういう放言を日本人自体がニヤニヤして放置していたのだから、やはり国際的な説得力がないのは当然だ。

 戦後65年、ようやく戦争に手を汚した世代が、この世を去りつつある。我々の世代は、戦争を知らないどころか、過去は外国も同然。長所も短所も冷静に歴史を反省してこそ、その反省の潔さにこそ、次の世代が真の愛国心を抱くことができるようになる。