存在しない人々

 全国あちこちに存在しない高齢者たちがいたそうだ。これでは、いたのか、いなかったのか、さっぱりわけがわからない。とはいえ、ちょっと前にも、同じように、どこかの党員だか、後援会員だかでも、死んだ人々が寄付をするとか、いない秘書が給与をもらうとか、不思議な事件が起こっていたから、近頃はいないひとがいっぱいいるのだろう。

 会社などでも、ありもしない支社があったり、そのありもしない支社にいる、いもしない社員たちに給与が払われていたりするのは、しょっしゅうあることで、やはり驚くには値しないことなのだろう。まして、カネの話となると、ないはずのカネが取引先でプールされてあったり、あるはずのカネが使途不明で消えて無かったり。

 昨今、戸籍から住民票、年金まで、役所があの始末なのだから、民間もぐちゃぐちゃで当たり前。いっそ、総棚卸しでもして、全ちゃらの在庫確認をしてみたらよかろうに、と思う。それにしても、そんないいかげんな帳簿をつけるために、膨大な人件費をかけ、ひとりひとりに面倒を強いてきたのは、いったい何だったのだろう。たとえば、住民票をもらうのに、住所氏名を書類に書くのはバカげている、と思わないのだろうか。そんなこと、住民票に書いてあると思うのだが。