大作より佳作で充分

 映像学をやってるのに、忙しくてなかなか映画を見る暇がない。で、こんな休みの日には、と思うのだが、さてなにを見ようか、と思って気づいた。映画館でやっているような話題の大作って、休みの日に見るにはしんどい。そりゃ、たしかに、あまり、はずれはない。が、世界存亡の危機になって、ギリギリのスレスレで、ドッカーン、なんて、なにもそんなの、今日見なくてもいいか、と思う。

 90分くらいの軽いドラマがいい。広告漬けで煽ってばかりの日本では、こういうのは映画館にはかからない。そのうえ、なんでもかんでも、コメディ扱いになっている。だけど、大したことも起こらないし、べつにそんなに笑えるわけでもない。日常でちょっとしたことがあって、それがじわっとくるやつ。コメディより、ホームドラマっぽいの。

 ヨーロッパ映画ではよくある。『パリ空港の人々』みたいなのでも、ハリウッドに移植さてしまうと『ターミナル』みたいに、大げさでわざとらしくなる。もとのほのぼの、だらだらな雰囲気の方が休みの日にはしっくりくる。日本も昔は、小津のように、こういうのが得意な監督がいたのに、いまは表づらばかりハリウッドのまねして、ドラマがスカスカ。ドラマなんて、ほんとうは小さな人情の機微にこそ、魅力があるのにねぇ。