地上波デジタルの手抜き

 電気屋はハイビジョンだと言って1920x1080のテレビを売りたがる。が、これはBSデジタルの規格で、地上波デジタルは、ハイビジョンと言っても、もともと1440x1080分のデータしかない。1920ドット分のデータが、圧縮しても放送の6MHz、17Mbpsの帯域に入りきらなかったのだ。それで、アナログ時代の縦長画素とは逆に、16:9の画面を埋め尽くすような妙な横長画素のデータを送ってきている。

 技術屋は25%くらい間引いても人の目にはわからん、と言うが、そんなことはない。近年の超巨大画面で見れば、BSデジタルと地上波デジタルの画質の差は歴然だ。データが25%違うだけでなく、モニター側で、正方画素へ無理やり変換しているのだから、絵が甘くなるのは当然。『世界ふれあい街歩き』のような風景番組の木の葉の表現力などを見比べてみればいい。

 技術屋は、自分の専門に関してはどうでもいいことまでうるさいくせに、自分の能力不足でできないことについてはどうでもいいかのように言う。だが、人に負担を強いるのなら、1920を1440でごまかすような未完成の技術のまま、見切り発車すべきではない。どうしても地上波デジタルをやるというのなら、この25%の内容量不足について、きちんと視聴者に説明すべきだ。