将来予測の原理

 JALが地方路線を廃止するに当たって、過去の実績のみで判断した。これは、じつはかなり画期的なことだ。これまで将来予測と言えば、そのアクションがレヴァレッジとなって乗数効果が働くということを、つねに大前提にしてきたからだ。たとえば、あるところに高速道路を作れば、そのことによって、その地域が活性化して、将来的には現状以上の通行量が見込める、と考えられてきた。

 しかし、その乗数効果を織り込んだ将来予測の実績検証を見れば、ことごとく外れている。過大評価ばかりだ。それどころか、あちこちで乗数を見込んで、やたらと建設したものだから、むしろ相殺効果さえ現れてしまっている。これなら、いっそ、乗数効果などというものはない、と言い切ってしまった方がさっぱりする。

 実際、人口減で総活力が低下する以上、個々の乗数効果より、干渉による相殺効果の影響の方が大きい。地方都市は、近隣同士がたがいに食い潰しあって半減してしまうだろう。どこも過去の実績より悪くなる。町起こし、村起こしなどという将来性のないことに活力を浪費するくらいなら、せめて現状維持が図れそうなところを確実に残すことの方が優先される。それだって、いまやかなり危うい。とにかく我々は、いろいろな意味で手を広げすぎた。そして、そろそろ手じまいの季節がやってきた、というだけのことだ。