ゆかた姿の女子学生たち

 朝の9時、1限からゆかた姿の女子学生たちがちらほら教室にいる。大学の銀河通りも笹で飾り付けられ、学生たちが短冊に願いごとを書き込んでいる。ああ、そうか、もうすぐ七夕か、と思い出す。願いごとがいろいろあっても、その中で、なにが一番大切か、整理するのによい機会だ。

 空気の触感、木々の色は移ろいゆくのに、生活の方は、決められた曜日、決められた時間で刻まれていく。せっかくの季節が押しつぶされてしまう。そういう生き方が好きな人はそれでいいが、それにつきあわされるのは、気に入らない。ヨーロッパでは、いまごろから夏休みをとる人もめずらしくない。そうでない人もいる。人は人、自分は自分。だが、この国では、そういうことを許さず、人に干渉する人が多すぎる。まるで七夕の梅雨雲のようにうっとしい。

 朝からゆかたで大学に来る学生たちには拍手を送りたい。季節は外から与えられるものではなく、自分自身がその中で体感し体現するものだ。もちろんゆかたは、ゆかただ。朝から着るようなものじゃない。だが、いいじゃないか。朝から蒸し暑いんだから。いまの時代、本人はおしゃれのつもりでブランドを追いかけ、結局、だれとも見分けがつかなくなってしまうようなアホたちが多すぎるのだ。粋と意地とは表裏一体だ。