ゆとり世代の危機

 多くの大学で、いま、奇妙な現象が起きている。連休を過ぎても一年生が減らないのだ。彼らは、経済状況の悪化を強く自覚している。四年間でなんとかしなければなんともならないことをよくわかっている。親が出してくれている学費も、どれだけ大変なのか、それも、いつどうなるかわからないという危機感に満ちている。

 一方、危機的なのは、数年前に入学した、いわゆる「ゆとり世代」の二、三、四年生。だが、さすがゆとり世代、危機感のかけらもない。四月から一度も出席したことがないツワモノが、風邪をひいたとかいう欠席届を持ってきて、出席にしてくれ、などと平然と言う。就職はどうするの、と発破をかけようにも、馬耳東風で、向こう側の耳の穴へとただ吹き抜けるだけ。

 コマ数だの、指導要領だのの問題ではなく、初等、中等教育がシステムとして狂っている。実際、小中学校や高等学校の教員は、ゆとり教育の方が多忙で破綻寸前だった。これは、あきらかに費用対効果がおかしい。理屈はなんにしても、とにかく教育の結果が出ていないのだ。そして、連中は、まともに就職できないだろう。就職しても、仕事が続かないだろう。ましてこの経済状況だ。教育をまちがえることがどれほど罪深いことか。いまからでも、どうにか連中に気づかせてやる方法はないものなのだろうか。