坂本龍馬とチェ・ゲバラ

人間としての魅力とはなんなのだろう。『エビータ』では、チェは皮肉屋にねじまげられてしまっていたが、実在のチェは、あんな男ではなかった。皮肉よりも冗談を好み、演説よりも労働に励み、自慢をせず、賛辞を受けるといつの間にかいなくなった。写真に撮られることを嫌い、静かに手紙や日記をしたため、いつも明るく笑っていた。周囲の人々は、彼のそばにいるだけで誇らしく思えたという。イメージとしては、日本の坂本龍馬によく似ている。

経営学を学ぶのもけっこうだが、いかに頭が切れても、それだけでは人はまとめられない。ほんとうの人間の力というのは、人間としての魅力だ。魅力ある人間になるにはどうしたらいいのか。そういう勉強を近代はおきざりにしてきた。だから、なにもかもがうまくまとまらない。

性格の明るさ、気前の良さ、度量の大きさ、思いやり、そして、先見性。こういうことは頭で学ぶことではなく、心そのものの問題だ。それも、日頃、日頃の心がけで、自分自身を正していかなければ身につくものではない。そして、それはあからさまに表情に出る。男でも、女でも、化粧や服装に気をつかう暇があるなら、人間の中身そのものの魅力を磨くべきだと思う。