習ったら負け

世に天才と呼ばれる人々がいる。幼少から大人顔負けの実力を発揮する。また、在野にもかかわらず、とてつもない巨人が出てくることもある。と、ここで気づいた。連中はみな、人に習ったことがないのだ。人に習ってできるようになるのは、天才ではない。天がその人を導いているからこそ、天才なのだ。

学問でも、芸術でも、教師の方が偉い、ということになっている。しかし、ちょっと考えればわかるように、そんなに立派なら、世間で活躍し、密室でシロウト相手に教師などやっていない。つまり、教師など、たいていはプロのなりそこねだ。そんなのに習ったら、また教師になるしかなくなってしまう。

だが、もちろん多くの弟子を育てた師匠もいる。かれらは職業教師ではなく、プロとして第一線に立っている。それにかってに弟子たちがぶらさがってきてしまっただけ。だから、教えたりしない。そんな暇はない。それで、弟子たちの方がかってに師匠の技を盗む。

暇つぶしのお稽古ごとならなんでもいいが、プロになりたいなら、教師なんかにならったら負けだ。前へ前へ突き進んでいる先人たちの背中を追って、それを追い抜いていくやつだけがプロになる。