ピアノマンガとクラシック業界の現実

『のだめ』だけでなく『ピアノの森』『神童』など、ピアノマンガが売れ続けている。この背景には、いまどきまだマンガを読んでいる層と、いまどきまだピアノを習っている層が市場的に同一であることによる。練習しなくても弾ける天然ボケの天才、という、なめた設定も、このぬるい連中にぴったりだ。

世間はクラシックの復権などというが、バブル期は邦盤だけで年500タイトル以上も新規発売されていた。いまはその半分以下だ。コンサートの総回数は増えているが、入りが悪く、スポンサーも付かず、行政の補助金なしには成り立たない。これではカラオケ道場よりタチが悪い。

日本のピアノの内情は、いまだ、音大正教授を頂点にして、お茶やお花に代わる洋風お嬢様のお稽古ごと、というアナクロの家元制。それも、いまや少子化に不景気のため、教師ばかりで生徒がいない。ピアニストだの、ヴァイオリニストだの、職業としては成り立っていない。クラシック楽器のプロはいるが、連中が出しているCDは、むしろポップスばかり。日常の中でクラシック音楽の演奏が気軽に親しまれているヨーロッパとの差はあまりに大きい。