欺瞞のしわ寄せ

大きな図式で世界を捉えるなら、現代は、二十世紀後半のツケを背負わされている時代だ。荒野から噴き出した石油という持参金によって、砂漠の族長たちは、自分たちの部族民を見捨て、名誉米国人になろうとした。ほんの半世紀前まで、ラクダの上に乗っている者と、その手綱を引いている者の違いでしかなかったのに、いまや一方はプライベートジェットで世界を飛び回り、他方は底なしの貧困と飢餓に喘いでいる。

だが、このわかりやすい族長たちのおかげで、テキサスの農場主は親子二代の大統領を出す名家となり、バカスカと石油を使う米国文化のおかげで、日本は自動車や電器製品を売り、その軍事力の虎の威を着て、ついに脱亜を遂げ、名誉米国人の末席に加えてもらった。

しかし、辻褄が合わない。そのほころびを、米国の下層が兵士となって現地で取り繕うが、裂け目は大きくなる一方だ。だいいち、彼らがどんなにがんばっても、もともと無理な話なのだ。それでも、指導者層は、自分たちがその元凶であることを認めることはあるまい。私も含めて、その無理によってこそ、いまの生活を維持しているのだから。