マックス・ヘッドルーム

マトリックス』の元ネタが『攻殻機動隊』だなどと言うやつは話にならん。『ブレードランナー』や、その元の『電気羊』も、しょせんあの程度。だが、まさにオーウェンの予言した1984年、あれは衝撃だった。徴兵拒否でカナダに逃げたギブソンは、同国の気鋭のメディア学者マクルーハンの影響をどっぷりと受け、電脳仮想社会の黙示録『ニューロマンサー』 を描いた。

じつは、『マトリックス』以前にも映像化されている。同じ1984年にUKテクノポップのミュージッククリップとして作られたヴァーチャルキャラクターが、バックストーリーとして、それを利用したからだ。85年に単発ドラマが作られ、87年から14回のテレビシリーズになった。そこでは、家電までがすべてネット接続された、まさにIPv6的消費社会が提示され、アンプラグドなブランクたちによるメディア支配者たちとの戦いがテーマになっている。

いまや、それは現実だ。MS、アップル、グーグル、ワーナー、アマゾン。彼らは日常生活はもちろん、世界の知のすべてさえも飲み込もうとしている。完全DVDセットがこの秋に発売になる。今を踏まえ、改めて考えながら見てみたい作品だ。