時空のゆがみの新幹線

仕事柄、新幹線にはよく乗る。それにしても、奇妙だ。デジャヴというより、いまどき、まだこんな世界があるのか、と、驚かされる。新幹線の駅に近づくに従って、おかしくなる。スーツにネクタイのおやじだらけになっていくのだ。駅は、すすけたコンクリがむき出し。スポーツ新聞とあんパンにチクワ。中はもっとすごい。なんと喫煙車がある。タバコの煙がモウモウ。ビールのゲップ、イカのゲソ臭、そして、蒸れた靴下のにおい。

ここは、1970年のままだ。だが、万博にはあった未来への夢、世界への希望は無い。わざわざ東京に招集され、会議で通達されるのは、東京本社のみの延命策。東京の連中が地方へ行って田舎者に語り散らすのは、はったりのその場しのぎ。新幹線によって目指された均衡ある発展など、まぼろし。

なぜか塔を建てると、会社も、文明も終わる。古代からの人類の知恵だ。どうやって終わるのか、など、知らない。しかし、40年も昔の世界が残されていて、それが国土の幹線を支配しているようでは、その無理は隠しようがない。