本を読む時間

世に徒食をむさぼるは、学者の特権だ。週に6コマそこそこしか働かない。役者だって、マチネとソワレで週7ステージはこなすだろう。だが、いいわけがましいが、7ステージのリピートに比して、6コマ、自分の言葉を絞り出すのと、どちらが楽と言うわけではあるまい。

もちろん、研究室に籠もってパソコンでソリティアばかりやっている教員もいるだろう。マスコミ出演に忙しく、講義も著書も人の文章の寄せ集めという教員もいるだろう。しかし、彼らはなんのために、この職業を選んだのだろうか。

若い世代に語り伝えたいことがある。だが、うまく言葉が見つからない。だから、本を読む。自分の思いを伝えるための言葉を探す。ときに、人の言葉に自分の浅はかさを思い知らされ、深く考え込む。毎週6コマ話すためには、その数倍は本を読む時間がつねに必要だ。