思考の整理学

結局、「思考の原理」という科目は、外山滋比古の『思考の整理学』を教科書にして、そこから哲学者たちの話を展開することにした。この本は、あいかわらず東大や京大でベストセラーだそうだ。

自分が学生のころには気づかなかったが、しかし、この本を改めて読み直すと、学生向きというよりは、教員向け、というか、当時の同僚や学生の学問に対するグチの羅列、という気がする。1983年、この本を書いたのは、外山が60歳のとき。70年代の学生運動で痛めつけられ、大学がもっともふぬけていた時代。

まあ、その時代に自分も学生だったのだが、幸い、当時の大学は、自分にとって、大いに反面教師となった。鬱屈と放埒が入り乱れ、教員同士がねちねちと公私の生活をけなしあう。研究者として以前に、人間として、あんな風にはなりたくないな、と思わせるに充分だった。さて、いまの自分はどうであろうか。心して、日々、精進したいものだ。