ダウングレイドの時代

かつて年功序列が成り立っていた頃、いずれは収入も増えるのだから、ということで、住宅や家電、自動車など、不相応な設備投資をする方が一般的だった。しかし、いまや、そんな見込みは立たない。収入が減る、それどころか、失業するかもしれない、となれば、現状の身の上よりも、より身軽にしておこう、というのは、当然の選択だ。

実際、大企業でも、破綻するのは、フローのランニングコストが大きすぎて出費が止まらないところだ。これは、アウトソーシングに切替えても同じこと。重要なのは、赤字のフローを発生させてしまう過剰資産そのものを削ぎ落とすこと。持っているだけで黒字を生み出す優良資産など、もはや存在しない。

このことは、資本主義が逆回転し始めたことを意味する。いまや、持ったら負け、なのだ。このチキンゲームにおいて、持たざる者の方がキャスティングヴォートを握っている。