クレイジーメイカー

1992年のジュリア・キャメロンの本で有名になった語だが、元ネタは1979年のジョージ・ロバート・バックの『Stop! You're Driving Me Crazy』。クレイジーメイカーとは、人をおかしくしてしまう人。いわゆる困った人である以上に、エネルギッシュだ。バックの方はなんとか解決しようとしているのだが、キャメロンは、無理だ、近づくな、と言う。やつは、なんの創造性も無いくせに、人を混乱に陥れ、そのエネルギーを吸い取る。

こういう人物は、ローマ帝国大英帝国の分割統治に似て、裏でそれぞれにバラバラのことを言う。彼を信じて仕事をしても、他の人と辻褄が合わず、ケンカになる。そこで、本人が出てきて、いやいやまあまあ、おれに任せろ、というわけだが、もとはと言えば、彼こそが元凶だ。

曹松の『己亥歳』に言う「一将なりて万骨枯る」という状況。だから、多くの人が去っていく。にもかかわらず、犠牲者たちが築いた、その人の名声に惹かれて、次々とまた新たな愚か者たちが彼の下に集まる。結局、みんな、くたびれ損。バブルよりこのかた、日本には、そんな老獪な人ばかりがやたら増えた気がする。