壁にぶつかっている芸術家

トリュフォーに言わせれば、映画の評論家などというものは、壁にぶつかっている映画監督の出来そこない、だそうだ。評論家だったトリュフォーが言うのだから、そうなのだろう。それどころか、口の悪い彼は、映画なんか人生より大切か、映画好きなんてみんな病気だ、とまで言う。

映画にかぎらない。自分が作ったわけでもない芸術作品について偉そうに語る、などというのは、評論家にしても、観客にいても、どこかおかしい。それも、上から目線で。芸術というのは、見るもの、聞くもの、読むものであって、語るものではない。それも、自分自身が自分自身の人生を創っていく現場においてのみ、芸術は大いなる刺激を与えてくれるものだ。

自分の人生のない観客、自分の作品のない評論家、など、まるで幽霊のようだ。きみの足には、鎖で鉄球でもついているのだろうか。作品を楽しんで、気晴らしをしたら、自分のすべきことに取り組むべきだ。