まっかなちぃっちゃいきかんしゃ

 ちかごろ、お気に入りの本だ。著者のベネディクト・ブラスウェイトは、17歳から絵描きとして数々の展覧会を開いてきたが、その後、なにを考えたのか、ほとんど無人の北西スコットランドの小島に移り住んで、酪農を始める。で、絵本を書き始め、1986年には、『Tangle and the Firesticks』(インディアン風のオオカミ人間が故郷に火を持ち帰る話)で、スマーティズ賞を取っている。

 その後、農場の動物だの、耕耘機だのの絵本を描いていたが、1997年の「まっかなちっちゃいきかんしゃ(Little Red Train)」シリーズが大ヒット。現在まで8冊が出ている。(このほかにも、シカケ絵本などもある。)

1.『The Runaway Train(おいかけるぞ おいかけるぞ)』1997.05

2.『to the rescue(だいじょうぶ どんどんいこう)』1997.05

3.『Faster, Faster(きゅうこうだ いぞげいそげ)』1999.04

4.『Green Light(あおだ すすめすすめ)』2002.10

5.『Great Big Train(でっかいしごとだ いくぞいくぞ)』2003.11

6. 『Night Flight』2005.03

7. 『Race to the Finish(きょうそうだ まけるもんか)』2006.10

8. 『Busy Day』2008.10

 話としては、機関車トーマスと安野光雄の旅の絵本を足して、絵本独特の繰り返しの盛り上がりを加えた感じ。なにしろおもしろいのは、背景の細部にまでドラマがあり、何度読んでも新しい発見があること。そのうえ、全体の設定の統一が徹底しており、ダフィのネコだとか、海際の城だとか、どこどこの奥さんとその赤ちゃんだとか、まるで自分のいつも乗っている路線の町や村のように、その地域のことがわかってくる。

 これを翻訳したのは、BL出版。ブックローンが手がけていたところ。しかし、これをうまく世に売り出したのは、なんとあのヴィレッジ・バンガード。あそこは、目利きもいるからなぁ。


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