ラジオに明日はあるか

 テレビ以上にネットだのIpodだのでガタガタなのがラジオだ。ラジオなんか、番組作りにたいしてカネもかからないのに、地方局では、もはや独自に番組制作ができず、キー局からの配信が増えている。それどころか、資本そのものも、キー局の支配に置き換わってきている。ようするに、ラジオにスポンサーがつかないのだ。

 聴取者が減っているのか、というと、まあ、たしかに増えてはいない。しかし、根強い聴取者もいる。ところが、ローカル番組が無くなると、交通情報も、地域情報もなくなり、彼らはどんどん離れて行ってしまう。音楽も、ヒット曲ならともかく、いかにも売り込みっぽい曲なんか、だれが聞きたいだろうか。そのうえ、頭の悪そうなガキタレの、シロウトくさいトークなんか、大人が聞き続けるわけがない。

 大阪では、ネットラジオが試みられたが、IP制限によって、放送圏外ではアクセスできない。連中は、あくまでローカル放送局のままで、時代を乗り切れるとでも思っているのだろうか。

 ようするに、一局一波のビジネスモデルが古いのだ。ネット時代に対応する、ということは、従来のラジオをネットに持ち込む、ということではなく、ネットにおいて音声放送を売るビジネスとして再定義しなければならない。そして、ネット経由での番組の再販売を考えるなら、どこもがキー局になりえ、また、市場は国内にとどまらない。ケーブルテレビと同じように、ナニワ演歌専門とか、ジャニタレ局とか、世界に売れる。

 もちろん、この場合、スポンサーは、もはや従来のようなローカルな会社ではあるまい。全国交通情報局なら、イエローハットのような全国企業であろうし、また、演歌専門なら、演歌レーベルだろう。沖縄局なら、沖縄の観光産業が全国の聴取者に呼びかければいい。通販がこれだけ充実しているのだから、音楽関連商品はラジオでお試しさせて、ネット通販で売ればいい。アマゾンのやったロングテイルがそのまま多チャンネルになるのであり、ローカル発の全国放送こそが、かえって広く浅く世界に聴取者を掘り起こす。

 実際、世界のラジオは、その方向へむかっている。しかし、かつてのテレビにおけるCNNやアルジャジーラのようなカリスマ性のある局がいまだラジオの世界では確立していない。ローカルの片手間だったり、放送法の制限があったりするからだ。しかし、AFNのイーグル810なんか、ネットで全国放送にしたら、ぜったいに成功するのだが。



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