就職のためのレトリック5

 短所と長所は同一だ、ということを思い出そう。反論するより、まず相手の言い分を話の共通の土台として取り込んでしまうことだ。「おっしゃるように、御社のタイプではないのかもしれません。しかし、今後、御社が幅を広げ、さらに発展していくためにも、かならずや私のようなタイプの違う者が御社の役に立つこともあるのではないでしょうか」てな風に。

 実際、そのことこそが、面接者の未練そのものだ。人事部にいれば、どんな社員がいるか、よく知っている。ほっておけば、人事なんか、類は友を呼ぶで、似たり寄ったりのタイプばかりとなり、研修でも、会議でも、マンネリ化していってしまう。だからこそ、彼の本音としては、向いていない、というような学生こそほしいのだ。そして、彼は、このままだと、他の面接者たちが、黙って君を切ろうとしているぞ、と知らせてくれている。

 つまり、こういう嫌な質問をぶつけてくる面接者は、ほんとうは君という人物の良き理解者であり、味方だ。わざわざ挽回の機会を公然と提供してくれているのだ。黙って切ろうとしている残りの面接者にも彼の顔が立つような、正々堂々とした受け答えをしよう。