就職のためのレトリック4

 ちかごろは、パワハラの問題もあって、とみに圧迫面接法のようなものは減ってしまったが、それでも、面接の最後の方になって、「話を伺うと、どうもあなたは我が社には向いていないように思うのですが」などと面接者が言い出すことはあるようだ。

 ここで、「はあ、そうですか。。。」では、それこそ話にならない。自動車でも、なんでも、セールスなんぞ、断られてなんぼのもの。粘り強い、などと、自分でさんざ売り込んでおきながら、実際がこれでは、それこそ口先だけで、首尾一貫していない、ということになってしまう。

 かといって、ムキになって、「そんなことはありません!」などと言い返してみたところで、これまたやはり話にならない。たんなる水掛け論だ。それも、相手が面接する側なのだから、そんなことをしても、まったく勝ち目はない。ほら、やっぱり合わない、と思われるだけ。

 冷静に考えれば、こんなことをわざわざ言ってくるのは、向いていないにしても、人材として未練がある、ということだ。ほんとうに要らない学生なら、後腐れのないように、我が社にはもったいない、とか、きっともっとすばらしい会社で活躍する、とか、適当に社交辞令を言って追い払うもの。それどころか、なにも言わずに微笑んで、学生が出て行ったらすぐに履歴書をシュレッダーにかける。