就職のためのレトリック2

 学力テストとともに、性格診断テストなどというものを行う会社もある。あれこれの質問で、自分の性格を自己申告させるものだ。ところが、これは、自己申告の内容なんか、まったく判断材料になっていない。重要なのは、その全体の連関だ。

 たとえば、最初の方に「割り切りは良い方だ」という質問があって、そのかなり後の方になって「いつまでも後悔してしまうことがある」という質問もある。両方にイエスと答えると、こいつは優柔不断だ、と診断されることになる。

 しかし、これは、エントリーシートでも、面接でも、同じことだ。学生は、あれやこれや有利になりそうなセリフを盛り込もうとするが、盛り込めば盛り込むほど、支離滅裂になり、人物としてのイメージが茫漠としてくる。

 たった1枚、たった数分での勝負なのだから、ウリはたった1つに絞り込むべきだ。日経ビデオの例だと、「納豆のように粘り強い」というのを出している。学生はこれをドンクサイと思うだろうが、テレビの番組タイトルと同様、スカしている売り文句より、ドンクサイくらいの方が好感度が高い。まして、食品会社を受けるのに、話を食品に絡めているのは、まさに的を射ている。人事部の中で、ああ、あの納豆娘ね、などと親しみを込めて言われるようになれば、そりゃもう通るに決まっている。