誰も言わない卒論の書き方2

 すごく基本的な話。論文は、問いと答えでできている。だから、全体の最初の「はじめに」と全体の最後の「結論」が問いと答えになる。同様に、各章、各段落もまた、それぞれその最初と最後は、問いと答えになっていなければならない。

 1つの章、1つの段落は、1つの問いと1つの答えしか含んではならない。まるまるについてのあれこれ、などというのでは、論文にならない。まるまるのなにが問題で、なにが答えなのか、始めと終わりが対応しなければならない。

 さらに言えば、1つの文は、1つの動詞しか含んではならない。従属節の修飾だの、目的だの、よほど手慣れていないと、なにが主語でなにが術語か、書いている本人ですらわからなくなる。たとえば、AはBが採ったリンゴを食べた、という文は、好ましくない。Bはリンゴを採った。そのリンゴをAが食べた。というように、各文1動詞のみになるように、切り分ける。これによって、2つの文の間をつないでいるものが繰り返され、関係が明確になる。

 同様に、AはBがリンゴを採るのを見た、も、次の出来事をAは見た。すなわち、Bがリンゴを採った、ということである、というように、切り分ける。これによって、従属節が、出来事、問題、事例、等々の名詞で呼ばれ、前者の文の目的語の性質が明確になる。

 どうしても、1つの文に2つの動詞が入る場合、読点を入れる。接続詞の後にも読点を入れる。「は」や「も」の主語の後にも、読点を入れる。たり、たり、であれ、であれ、などの対句にも、どちらの後にも読点を入れる。これによって、文章の構造が、書き手自身にも明確になる。