誰も言わない卒論の書き方1

 四年生の卒業論文も、仕上げの時期だ。というわけで、それぞれにほぼ全体像ができてきているので、その手直しの手伝いということになる。一方、3年生も、早くも就職活動とともに、卒論を視野に入れておく時期だ。面接で聞かれるものなぁ。

 卒論の書き方については、さまざまな本が出ているが、3年生には、まず、本に書いていないこと、論文そのものの意義から説明している。

 第一に、自分の中にテーマを持つこと。自分にとって疑問であること。答えが出るかどうか、など、どうでもいい。大学生として勉強してきたにもかかわらず、このことがもっともわかない、ということだ。それは、ごく日常の中にころがっている。

 第二に、しかし、そのテーマは、大学生ごときがたかだか一年くらいで考えるには、たいていあまりに大きすぎる。そこで、そのテーマに沿う具体的なマテリアルを絞り込むことだ。注意しなければならないのは、マテリアルばかり選んで、その後で、無理やり疑問となるテーマを見つけようとするのは、ダメだということ。逆に、そのマテリアルでうまくいかなそうならば、同じテーマで、別のマテリアルに変えてしまってもかまわない。

 第三に、アプローチ。歴史的に調べるのか、社会統計的に調べるのか。それとも、概念分析、文化背景、深層心理。いわゆる切り口だ。これも、そのアプローチがうまくいかないようならば、同じテーマ、同じマテリアルのままであれば、変えてしまってもかまわない。

 第四に、エントランス、つまり、たたき台。先行研究、ないし、一般通説があった方がよい。まるまると言われているが、はたして本当にそうであろうか、というような形で、アプローチへ入り込む。この部分が、第一章の20頁分。ダメなのは、人の説をなぞるだけで終わってしまうもの。だったら、君がわざわざ書く必要はない。だから、20頁より多くてもいけない。