ファンタジーと地平融合3

 ウソが真実として語られるとき、そのウソは真実に代替して填め込まれる。つまり、ウソが真実に置換され、真実の方が失われる。ところが、ウソがウソとして語られると、それは真実を拡張する。そこでは、ウソと現実が、ガダマーの言う地平融合(ホリツォント・フェアシュメルツング(フェアシュメルツンクなどという発音はしない))を起こす。

 この意味で、ファンタジーはつねにメタフュジック(形而上学)的な構造を持つ。現実を拡張して、そこに大きな真実を展開する。それは、逆に言うと、現実の中にあるファンタジーを洞察して、それを展開しているのだ。だから、この現実に対する冷徹な分析なしには、ファンタジーなど創ることはできない。

 それゆえ、ウソの反対は、虚無だ。すべてのウソを否定し去ったとき、なにも残りはしない。我々は、アン・シャーリーのように、さまざまな物事を名付け、そこにおもしろおかしな物語を付与している。もしもこの物語をすべてはぎとったとき、そこに残るのは、虚無だ。そこに何もありはしない。それは何ものでもないのだから。

純丘曜彰ブログ速報版はこちら:http://sumioka.justblog.jp/blog/